Goldwin Purpose Book
パーパスを可視化するためビジュアルブック「A STUDY OF THE RHYTHMS OF NATURE」
2024年、ゴールドウインは新しいパーパス「人を挑戦に導き、人と自然の可能性をひろげる」を策定。
パーパス浸透のため、循環する地球の現象を運動する地球のリズムと捉えて、写真による可視化を試みたビジュアルブックを制作し、その編集とライティングを担当した。
壮大で捉えきれない地球の現象から微細すぎて見ることのできない生物たちの営みまで、捉えきれない大きなシステムとしての環境の仕組みを、想像力によって断片を捉えた写真たちの間の出来事、関係を補い、大いなる地球の自然を感覚することを目指した。
また、ガーデナーのダン・ピアソンの自宅と庭、建築家のリナ・ゴットメの事務所、哲学者のエマヌエーレ・コッチャの自宅を訪れ、それぞれの自然観をインタビューした。
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Preface
運動の観察
大地 (衝突 / 隆起 / 地割れ / 崩落 / 粉砕 / 陥没)
大気 (気流 / 空気 / 雲 / 嵐 / 風 / 雷)
火 (太陽 / 火山 / 溶岩 / 炎 / 熱)
水 (雪 / 雨 / 川 / 海 / 波 / 水蒸気 / 浸透)
植物 (芽吹 / 成長 / 開花 / 受粉 / 根 / 呼吸 / 光合成 / 枯れ)
微生物 (共生 / 分解 / 発酵)
見えているものを通して見えないものを想像し、
見えないものを知ることで世界を創造する。
私たちの生活は、無数の物事とともにあります。
どれだけ目に見えているものをミニマルでシンプルにしようとも、
私たちが生きるということは、
世界の複雑性と全体性のなかで生きつことを意味します。
「センス・オブ・ワンダー = 神秘さや不思議さに目を見はる感性」を説い
たレイチェル・カーソンは、
環境破壊をいち早く世に問うた『沈黙の春』の中で、
「In nature nothing exists alone / 自然界において、単独で存在できるものは何もない」と書きました。
自然の均衡を壊す農薬など化学物質による環境汚染に警鐘を鳴らしたカーソンは、
自然は単独では存在していない、
つまり自然界はあらゆるものごとが関係し合っていることを、
ネガティブな現実から伝えています。
人間社会の過剰な生産と消費によって、
自然界の均衡が崩れたネガティブな現実がデフォルトな現実になってしまっている今。
自然の均衡 = 循環する自然のホメオスタシス / 恒常性を取り戻すために、
人間は何をすることができるのか。
“地球は生きている“、私たちはそのことをわかっているようで、
どこかで自分の人生 = 自分が生きる物語とは別の現実のように捉えてしまってい
るのではないでしょうか。
地球はわたしたちの人生の舞台ではなく、
お互いがお互いにとってともにある環境であり、ひとつの大きな現実です。
それゆえともに生きている環境として、
人間は自然を都合よく利用し、消費するのではなく、
相互の可能性を拓いていくような存在であるべきともいえます。
しかし、地球は人間にとって大きすぎ、
時間はながく終わることなく続いていくことによって、
その全体性を人間が想像することを難しくしているのもまた事実です。
単独で存在できるものがない世界と私たちが向き合うためには、
私たちは見えている世界の前と後を想像し続けなくてはいけません。
世界が生きていること、生きてつながって運動していることを感じ、知ることです。
そして、地球が動いていることや動いてきたこと、
その活動や運動を実感するのは、その運動に人間のアクティビティが同期するか、
もしくは意識的に抗いながら遊ぶときです。
海や川から空の雲と雨という形で循環する「水に乗り」、
水が結晶化した「雪を滑り」、
地球が回転と熱の移動で発生した「風に運ばれ」、
大地が動きぶつかり隆起しそびえる「岩や山を登り」、
重力を乗り越えるように「大地から飛び」、「地を走り」、遊ぶこと。
見えている目の前の風景から地球の運動を想像すること、
そして、その運動とともに遊ぶことは、人間の遊びや進化を最大化するものです。
人間は好奇心と探究心の発露としての遊びを通して世界と関わり、
その仕組みを理解し、文化を育み、社会を進化させてきたのであり、
その遊びを最大化させてくれる地球を何よりも尊重し、
大切にしなくてはいけません。
そうすることによって人間の進歩をさらに後押ししてくれることにもなるのですから。
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Link
Information
- Year
-
2025
- Client
-
Goldwin inc
- Producer
-
Masashi Wada(tentative)
- Photographer
- Art Direction
-
Ryotatsu Tanaka(Sudio Newwork)