「NOT YET―ALREADY ものと空間をめぐる3列目的視点」

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「NOT YET―ALREADY ものと空間をめぐる3列目的視点」

ものと空間をめぐる3列目的視点

アトリエ系工務店ルーヴィスから発行された本「NOT YET ― ALREADY ものと空間をめぐる3列目的視点 ― 「まだ」と「すでに」の間」の企画及び編集。

建築、設計施工の世界の中で、自分たちのポジションや思考/志向は「3列目からの視点」にあるとルーヴィスの代表福井さんは言った。その言葉は、ものを見る新しい視点であり、この本は、3列目とは何かを読み解き、3列目の建築やモノとの関わりとはどんなものであるのかを考え続け、できた本だ。

住宅を中心とした建築からプロダクト、環境や不動産、コミュニティまで、この本にはビカビカの新品はほとんど登場しない。すでにあったものや使われていたもの、愛されてきたもの、なんなら古びていたり、ボロボロになっていたりするものに強い興味と好奇心を寄せている。

3列目とは、建築家を先生のように崇めるものでも、流行を追うものでも、社会課題を解決するためだけでもない、常にオルタナティブな視点とポトムアップなやり方で、個人的な視点と分かちがたく結びついた位置や価值観のことではないか。

<すでに存在している>と<まだ生まれていない>の間のような状態。個人的なことが社会的なことであり、社会的なことが個人的なことでもある。世に様々ある対の状態や概念を常に行き来するような、二分法で割り切れない、割り切らない視点をこの本に集めた。

P004
ハッキング的プレファブ・リノベーション
PLUGIN PROJECT―衆建築(北京)

P024
見えているけど見えていなかったものを見つめて
―Michael Wolfの写真集

P034
似ているようで似ていない
―元木大輔と野本哲平

P050
#立ち退かなさ―菅野弥生(密林不動産)

P060
石内都と互楽荘―『互楽荘』再録

P088
「家族」という雑誌をつくる家族と家

P108
考古学と考現学の間のタイル
―美術家・中村裕太の作品から

P124
”ふつう”の家々の造られ方
―戦後庶民住宅の歩みをたどる

P136
HOUSE IS NOT A HOME―3人のVAN LIFE

P146
奇界住宅(イラン/中国/キューバ/ブルキナファソ)
―佐藤健寿

P170
京都大学吉田寮―自治と退去問題をめぐって

P182
建築家の作品を使いながら、未来に残す
―東京アパートメント

P188
鼎談 飽きない与件と実験
―山道拓人(ツバメアーキテクツ)
× 元木大輔(DDAA)× 福井信行(ルーヴィス)

発行日:2021年3月1日
企画・編集:山口博之(good and son)
デザイン:大西真平
発行者:福井信行(ルーヴィス)
発行所:株式会社ルーヴィス
印刷・製本:藤原印刷株式会社

Information

Year

2021

Client

ROOVICE

Art Director

Shinpei Onishi