LUMINE Head Office

Book Direction|
LUMINE Head Office

フローしていく雑誌的情報から、ストックしていく書籍的知恵へ

ルミネやニュウマンを運営する株式会社ルミネの本社オフィスリニューアルに合わせてライブラリーをディレクションした。

リニューアルによって執務スペース以外に、ラウンジのようなカジュアルな場を設けられた。デスクや会議室で話をするのではなく、かしこまらずに打ち合わせをしていくことや日々のことについて言葉を交換し、形式張らないアイディアの創出やボトムアップで場が醸成されていくことを考えられ設けられた場所。

JR駅直結の商業施設を多く展開し、積極的にお店に訪れる人から通行路としてだけ行き過ぎる人まで、どの店舗も圧倒的なトラフィックを誇っている。客層を限定せず広く捉えるという意味でも、お客さまと同じ目線で過ごす社員の日常的な視線や視点が大切になってくる。そのためにも社員は、自分の気づきの解像度を高め、言語化していくことが必要になるため、ライブラリーはそうした認識と発信の解像度を高めることを役割とすべきと考えた。

最新のファッションを常に取り入れ続け、雑誌を立体化したような場であるルミネは、流行や最新情報という名のもと流れ続けるフローな情報と一体化して、消費の流れに乗り続けるのではなく、様々な情報やデータ、知識、経験をストックし活用していくことをしなければいけないのではないかと考え、ライブラリーは雑誌では得られないストックすべき情報や知識、もしくは読む人の根や幹になるような本の集積とした。

「お金とは何か」「モノの価値」「ファッションの変遷」「おいしさの秘密」など、モノゴトの価値の根拠や変遷を知るセグメントをはじめ、「家族とか性とか」「健康であるために」「働くということ」など女性が多く働く仕事場で考えるべきテーマの設定/再設定や理解の解像度を高めることを考えるセグメント、「考える技術」や「伝える言葉」のような何をの前にどうやって考えるか、言葉にすることが可能かを見つめるセグメント、「都市の可能性」や「旅のたのしみ方 世界編/日本編」ではJRという背景と出店先であるターミナル駅という場所性をどう考え、活かすのかについて視線を新たに検討してみるためのセグメントなど、14のテーマで構成した。
その後は四半期に1度、その時考えるべき新たなテーマ/セグメントを設定し、本を追加。ライブラリーと人の好奇心が常に動き続けるよう、追加のたびにテーマをめぐるワークショップやセミナー等を企画している。

【ワークショップ】
vol.1 「本をどう読むか」山口博之(good and son)
vol.2 「ローカルと編集」影山裕樹(合同会社千十一編集室
vol.3 「『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』読書セミナー」中村和代/藤田さつき(朝日新聞社)リンク
vol.4 「アートブックの読み方」中島佑介(POST
vol.5 「これからの環境と消費」eri(デプトカンパニー

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Information

Year

2017 –

Book Direction

山口博之(good and son)

Clients

株式会社ルミネ