伊勢丹新宿店メンズ館 ストアアイデンティティ 1F

Creative Direction| Copy Writing|
伊勢丹新宿店メンズ館 ストアアイデンティティ 1F

自分らしさの文体練習

伊勢丹新宿店メンズ館の15周年に合わせて、新ステートメント「男として、そして、人として」を制作。合わせて設置された「ストア・アイデンティティ」を表現する2m各のキューブの展示プロデュースした。

メンズ館がオープン以来提唱してきた「男」であること以上に、「人である」ことを意識していくことをメッセージとした。
ステレオタイプな「男らしさ」ではなく、ひとりの人間としての「らしさ」を叶える、メンズファッションストアであることを表現するべく、1、2、4、6階に「ストア・アイデンティティ」において、「文体物体身体解体練習 -EXCERSISES in PHYSICAL THINGS-」をテーマの展示とした。

1階では「自分らしさの文体練習」と題して、書き手の自分らしさではなく、”自分らしさ、とは何か”について、書き下ろしから歌詞まで、43人の言葉を集めた。

見開きで高さ1m、幅1.5mの巨大な世界に1冊だけの本。

その人がその人自身であること以上に外から当てはめられる、“〇〇らしく” “〇〇らしい”という偏見や規範意識、そしてそこから生まれる差別と生きづらさ。
ファッションは“〇〇らしく”という意識やあり方を強化してきた面があることも事実だが、反面、強い個性を生み出し、性や常識の境界を曖昧にしてきた面も存在する。
自分自身を愛すること、自分らしさをエンパワーすること。
価格の多寡に限らず、自由なスタイリングやルールを知った上で遊ぶこと、もしくは服は自分を表現するものではないというあり方まで。
小さな選択の積み重ねが、生き方の表現のひとつとして存在しているということ。
自分の体を自分のものとして、自由な自分でいられること。

自分らしく生きなさい、と言われて自分らしく生きることができるほど、自分を理解し、行動することは簡単ではない。自分らしいとは何か、それがわからない人、迷う人、変化する人だっているはずだ。

そうした人たちが、自分に向き合う方法、手段、経験、記憶、姿勢など、43人の言葉から自分にフィットするものを見つけてもらえるような本になっている。

【執筆者】
穂村弘/三原康裕/志磨遼平/郡司ペギオ幸夫/菊地成孔/千葉雅也/棚橋弘至/為末大/上妻世界/吉川浩満/木村草太/清水ミチコ/齋藤陽道/佐藤文香/温又柔/星野概念/佐久間裕美子/あっこゴリラ/武田砂鉄/CHAI(歌詞再録)/有働幸司/清水慶三/鈴木大器/片山勇/森山開次/町田康/有田一成/清水文太/谷中敦/奥野克己/尾花大輔/石垣りん(再録)/茨木のり子(再録)/國分功一郎/鈴木みのり/蘆田裕史/岡田利規/夢眠ねむ/望月優大/エリィ/ミッツ・マングローブ/槇原敬之(歌詞再録)/松中権

Information

Year

2019-2020

Book design

佐々木俊(Ayond)